キース・ジャレット インナービューズ―その内なる音楽世界を語る



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キース・ジャレット インナービューズ―その内なる音楽世界を語る

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キースのインプロビゼーションの根源

読んでいるうちにどんどん創作意欲が沸いてくる、インプロバイザー必見の一冊。

原作(?)との相違

 1989版では、Jarrett自身、相当踏み込んだ発言をしていると思う。彼自身が言うように、そのときの発言が芸術家にとって真実、となれば、今回のKeith版が真実だろう。
 それにしても、1989版の重要性がさらに増してしまった。これも真実だ。私にとっては。
オリジナルのカケラも残っていない

1989年11月30日に立東社から発売された『キース・ジャレット 音楽のすべてを語る』をキース自身が加筆修正したのが本作。
オリジナルと比較してみると、

第2章 Aマイナー・コードという食物
第4章 サウンドこそ僕の世界だった
第6章 コルトレーンと生きる、4thサウンドを越えて

など多数の重要な章がカットされている。特に第14章として存在した『ビアノ・トランスクリプション』という、『フェイシング・ユー』の『イン・フロント』に始まる重要なキース自身による楽譜の部分がなくなっていてほとんど当初の意思がない状態になっている。どういう経緯でこうなったかは不明だが、立東社版の初版を持つ僕にはただただ驚きの変貌である。
それゆえに本書は元のすばらしさをほとんど残さないカケラのような本になってしまっていて推薦出来ない。
キースの言いたいこと

ジャズの即興の多くが型にはまったクリシェフレーズの組み合わせとなってしまっているのに対し、キースは自分の耳に聴こえてきた音だけを信念を持って弾きなさいと言っております。そのことが一貫して、すっきりと伝わってきました。この本の元となった、立東社の「キースジャレットの本」の方は、山下邦彦氏の考えがかなりはいっていて、横道にちょっとそれる部分があり、それが結構おもしろかったのです。今回の版ではそれらが削られており、その分キースの言いたいことがはっきりとはしていますが、少しおもしろみに欠けるうらみがあります。しかし、ここには従来の即興に対する考えや習慣を変えるキースの哲学が示されており、ジャズミュージシャンは是非一読されることをお薦めします。
キースはやっぱりすごい!

キース・ジャレットを知ったのはそんなに前のことではありません。人に薦められて『ケルンコンサート』を聴いたのがきっかけで一気にはまりました。それから『ソロコンサート』をはじめとしていろいろいなアルバムを聴くようになったのですが、その度になんでこんな素晴らしいピアニストがいるんだろうと溜息が出るほどです。もうずっと浸っていたいという感じです。 立東社でキースのインタビュー本がでているとしって探したのですがどうしても見つからなかったのが、この「インナービューズ」がそれにさらにキースが手を加えたものだと知ってすぐに買って読みました。

人を感動させるというのはどういうことなのか、「天才」ということで片付けられている才能の裏側に何があるのか、知ることができて本当に感動しました。



太田出版
マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)
カーネギー・ホール・コンサート